相続の流れ
相続手続は、一般的に次の流れで進めていきます。
(1)死亡届の提出(相続開始後7日以内)
(2)遺言書の有無の確認と検認
(3)相続人調査・相続財産の調査
(4)相続放棄・限定承認の申述(相続開始後3か月以内)
(5)所得税の準確定申告(相続開始後4か月以内)
(6)遺産分割協議・遺産分割協議書の作成
(7)相続財産の名義変更・相続登記
(8)相続税の申告・納付(相続開始後10か月以内)
■(1)死亡届の提出(相続開始後7日以内)
被相続人(故人のこと)が亡くなると、通夜、葬儀、告別式とあわただしく時間が過ぎていきますが、相続手続としてはまず、市区町村役場へ死亡届を提出します。
死亡届は、死亡後7日以内が提出期限です。
提出しないと、火葬・納骨に必要な埋火葬許可証が発行されないため、なるべく早めに提出するようにしましょう。死亡届の用紙は市区町村役場や、病院で手に入れることができます。
■(2)遺言書の有無の確認と検認
被相続人の遺言書がないか、書斎や金庫等を探して確認しましょう。遺言書の方式が自筆証書遺言(自筆で作成した遺言書)の場合、家庭裁判所で「検認」という手続きが必要になります。
なお、公正証書遺言(公証役場で、公証人と一緒に作成した遺言書。公証役場へ問い合わせると確認できる)で作成した場合や、自筆証書遺言でも法務局保管制度を利用した場合は、検認は不要です。
■(3)相続人調査・相続財産の調査
誰が相続人(遺産を引き継ぐ人のこと)となるかを、被相続人の戸籍を調査することで確認します。まずは、本籍地のある市区町村役場の戸籍係に問い合わせてみましょう。
また同時に、どのような財産が遺産となるか財産調査も行います。書斎や金庫、郵便物等を探したり、各種関係機関に問い合わせたりして調査し、預貯金等のプラス財産だけでなく、借金等のマイナス財産もすべてリストアップします。
■(4)相続放棄・限定承認の申述(相続開始後3か月以内)
相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内(「熟慮期間」という)に、相続するかしないかを判断しなければなりません。相続放棄とは、すべての遺産(相続財産)を相続しないことを意味し、限定承認とは、プラスの財産の範囲内で、被相続人の借金等を弁済し、遺贈を認めるということです。ただし、限定承認は相続人全員で行わなければなりません。
相続放棄等を検討する場合、家庭裁判所で所定の手続を行う必要があります。
■(5)所得税の準確定申告(相続開始後4か月以内)
被相続人が個人事業主だった場合などでは、準確定申告を行う必要があります。被相続人の住所地を管轄する税務署で手続しましょう。期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から5か月以内です。
■(6)遺産分割協議・遺産分割協議書の作成
遺言書がないなどのケースでは、「誰が」「どの財産を」「どのように」相続するかを、相続人間で話し合いによって決める必要があります。この話し合いを遺産分割協議といい、合意が成立すれば、決めた内容を遺産分割協議書として、書面にまとめます。
■(7)相続財産の名義変更・相続登記
被相続人名義の財産を、その財産を相続した相続人の名義に変更します。特に相続をきっかけとする不動産の名義変更を相続登記といいます。預貯金や株式等の財産は各種関係機関で、相続登記は相続した不動産の所在地を管轄する法務局(登記所)で行います。
■(8)相続税の申告・納付(相続開始後10か月以内)
財産が多いケースなど、遺産総額が一定のライン(基礎控除額)を超える場合は、相続税の申告・納付が必要になります。相続税の申告は、被相続人の住所地を管轄する税務署です。期限が定められており、相続の開始を知った日の翌日から10か月以内に申告・納付を済ませておかなくてはなりません。期限内に申告・納付をしないと、追徴課税というペナルティがあります。
このように、相続手続にはさまざまな種類があります。期限が定められているものもあり、スケジュールを意識しながら進めていきましょう。もっとも、手続に慣れていない方が忙しい日常生活を送りながら、相続手続を進めるのは非常に困難です。相続手続でお悩みの際は、弁護士等の法律専門家に相談することをおすすめします。
弁護士 小野 航平(法律事務所横濱アカデミア所属)は、横浜市(青葉区、緑区、都筑区、港北区、鶴見区、瀬谷区、旭区、保土ヶ谷区、神奈川区、西区、中区、泉区、戸塚区、港南区、南区、磯子区、栄区、金沢区)を中心に、神奈川県全域における相続に関するご相談を承ります。
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弁護士 | 小野 航平(おの こうへい) |
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所属団体 |
神奈川県弁護士会 神奈川医療問題弁護団 |
経歴 |
苫小牧工業高等専門学校電気・電子工学科 豊橋技術科学大学電気電子工学課程 豊橋技術科学大学大学院電気電子工学専攻 神奈川大学 法科大学院 司法修習(62期) 横浜市内の法律事務所に勤務後,2012年小野航平法律事務所設立 2014年3月 法律事務所横濱アカデミア設立 |
活動歴 | 神奈川大学法科大学院アカデミックアドバイザー |
事務所概要
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