遺留分侵害額請求の時効は何年?時効を止めることはできる?
亡くなった被相続人の配偶者や子、両親といった一定の範囲の人には最低限の相続分として遺留分が定められています。
遺贈や生前贈与などによってこの遺留分が侵害された場合には、遺留分侵害額請求権を行使することができます。
本記事では、この遺留分侵害額請求権の時効とその時効の成立の阻止の仕方について解説します。
遺留分侵害額請求権の時効と除斥期間
遺留分侵害額請求権に関しては、以下の3つの期間制限があります。
それぞれ詳しく解説していきます。
遺留分侵害額請求権の時効
遺留分侵害請求権の時効は、相続の開始及び遺留分の侵害を知ったときから1年です。
被相続人の死亡による相続の開始と、遺贈や贈与などによる遺留分の侵害の両方を知ることが必要となっているので、知らない間に時効が完成するということはありません。
遺留分侵害額請求権の除斥期間
時効とは別に遺留分侵害額請求権には除斥期間もあります。
遺留分侵害額請求権の除斥期間は、相続の開始から10年です。
除斥期間は、時効と異なり、相続の開始等を知らなくても、期間が経過すると遺留分侵害額請求権は消滅します。
また、期間の経過によって完成し、時効と異なり援用などが必要ありません。
さらに、時効のように更新(中断)や完成猶予(停止)といった進行を止める制度もありません。
金銭支払請求権の時効
遺留分侵害額請求権を行使することによって金銭支払請求権が発生します。
この金銭支払請求権についても時効があり、遺留分侵害額請求の意思表示をしてから5年間(※2020年3月31日以前に遺留分侵害額請求を行っている場合は10年間)で時効が成立してしまいます。
そのため、まず相続開始と遺留分の侵害を知ったときから1年以内に遺留分侵害請求権を行使し、その時点から5年以内に裁判などで支払の請求などを行う必要があります。
遺留分侵害額請求権の時効の止め方
遺留分侵害額請求権の時効を止めるためには、遺留分を侵害する贈与や遺贈を受けた人の全員に対して、遺留分を請求する意思表示をする必要がありますが、相手方から遺留分侵害額請求権について行使する書面など届いていないなどといった主張をされることを防ぐために、配達証明付内容証明郵便を用いることが有効です。
内容証明郵便で送ることにより、いつ誰に誰がどんな内容の郵便を送ったのかが証明でき、配達証明を付けることで相手方が郵便を受け取ったことを証明できます。
金銭支払請求権の時効の止め方
遺留分侵害額請求権を行使して、金銭支払請求権が発生した後は、金銭の支払いを求める裁判を提起することで時効を止めることができます。
遺留分侵害額請求権を行使してから5年以内に支払いを受けられそうにない場合には、裁判などの法的手続をとることが必要です。
相続に関することは、弁護士 小野 航平(法律事務所横濱アカデミア)におまかせください
時効もあり、遺留分侵害額請求は複雑なものといえますが、実際に請求する際の遺留分侵害額を確定するのも難しいため、請求をお考えの方は専門家への相談をおすすめします。
相続に関することでお悩みの方は、弁護士 小野 航平(法律事務所横濱アカデミア)にご相談ください。
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弁護士 | 小野 航平(おの こうへい) |
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所属団体 |
神奈川県弁護士会 神奈川医療問題弁護団 |
経歴 |
苫小牧工業高等専門学校電気・電子工学科 豊橋技術科学大学電気電子工学課程 豊橋技術科学大学大学院電気電子工学専攻 神奈川大学 法科大学院 司法修習(62期) 横浜市内の法律事務所に勤務後,2012年小野航平法律事務所設立 2014年3月 法律事務所横濱アカデミア設立 |
活動歴 | 神奈川大学法科大学院アカデミックアドバイザー |
事務所概要
事務所名 | 法律事務所横濱アカデミア |
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