【弁護士が解説】法人破産における破産管財人の権限とは
法人破産の手続が開始されると、裁判所から選任される破産管財人が、法人財産の管理・処理を担う中心的な存在となります。
しかしその権限はどこまで及び、代表者はどのように対応すべきなのかは、わかりにくい点が多いかもしれません。
今回は、法人破産における破産管財人の具体的な権限を解説いたします。
破産管財人とは
法人の破産手続の開始が決定される際に、裁判所は破産管財人を選任します。
破産管財人とは、法人に残っている財産を把握し、換価処分を行い、そこで得た現金を債権者にできる限り公平に配当する役割を担う存在です。
法律上、法人が有する財産は破産財団に組み入れられ、その管理・処分権限が破産管財人に専属的に認められます。
裁判所は基本的に、倒産事件の経験を持つ弁護士を破産管財人として選任します。
法人破産における破産管財人の権限
破産法第78条1項によれば、破産管財人は、破産手続開始と同時に、破産財団に属する一切の財産について、管理および処分を行う権限を専属的に有します。
これにより、破産法人の代表者は、破産財団に属する財産について管理・処分を行うことができなくなります。
法人破産における破産管財人の業務内容
法人破産での破産管財人の主な業務内容は、以下のとおりです。
- 財産状況・取引関係等の調査
- 財産の管理・換価および回収
- 否認権の行使
それぞれ確認していきましょう。
財産状況・取引関係等の調査
破産管財人は、破産財団に属する財産を適切に管理・処分するため、法人が有していた不動産や動産、預貯金、売掛金、在庫などの財産状況を調査します。
負債の状況については、特に配当が見込める事案の場合には、債権者からの届出だけに頼らず、債権の優先関係なども含めて調査を行います。
また、契約関係や従業員の雇用関係についても調査し、例えば事業所の賃貸借契約の解約及び明渡といった契約関係の処理を行い、また従業員の解雇に伴う社会保険等の手続や未払賃金立替払制度の利用といった業務も行います。
財産の管理・換価および回収
調査により把握した財産について、破産管財人は管理を行い、必要に応じて売却や回収などの換価処分を進めます。
売掛金の回収、不動産の売却や在庫の処分を含めた動産の売却などは、すべて破産管財人の判断と責任において行われます。
否認権の行使
破産手続開始前に行われた取引について、不当な支払いや資産移転がある場合には、破産管財人が否認権を行使することがあります。
否認権の行使により回復した財産は、他の財産と同様に破産財団に組み入れられ、債権者全体への配当のために用いられます。
まとめ
法人破産における破産管財人は、法人 財産の管理・処分を一手に担う中心的な存在です。
破産手続が開始されると、法人代表者に代わって破産管財人が資産の調査・売却・契約整理・債権者対応などを行い、債権者への公平な配当を目指して手続を進めます。
法人破産をスムーズに終えるためには、代表者が誠実に情報を開示し、破産管財人との協力関係を保つことが重要となります。
不安がある場合は、弁護士に相談するとよいでしょう。
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| 弁護士 | 小野 航平(おの こうへい) |
|---|---|
| 所属団体 |
神奈川県弁護士会 神奈川医療問題弁護団 |
| 経歴 |
苫小牧工業高等専門学校電気・電子工学科 豊橋技術科学大学電気電子工学課程 豊橋技術科学大学大学院電気電子工学専攻 神奈川大学 法科大学院 司法修習(62期) 横浜市内の法律事務所に勤務後,2012年小野航平法律事務所設立 2014年3月 法律事務所横濱アカデミア設立 |
| 活動歴 | 神奈川大学法科大学院アカデミックアドバイザー |
事務所概要
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