債務超過とは？赤字との違いや倒産との関係について解説

経営難に関する報道の中で、債務超過という言葉を耳にされたことはないでしょうか。

債務超過が経営的観点からみて好ましくない状態であることはイメージできたとしても、具体的にどのような状態を指すのかを正確に理解されている方はそれほど多くはないのではないかと思われます。

本記事では、債務超過の定義や、いわゆる赤字と債務超過の違い、倒産との関係について解説していきます。

債務超過の定義について

債務超過について理解するためには、その前提として「負債」「資産」についての理解が必要となります。

・「負債」とは

負債とは、簡単にいえば、会社のマイナスの財産のことを指します。

具体的には、買掛金や借入金といった債務が挙げられます。

・「資産」とは

資産とは、簡単にいえば、会社のプラスの財産のことを指します。

具体的には、現金や預金のほか、土地・建物といった不動産、貸付金や売掛金といった債権が挙げられます。

・債務超過の定義

債務超過とは、負債の額が資産の額を上回っている状態、つまりマイナスの財産がプラスの財産を上回っている状態のことを指します。

会社が債務超過の状態にあるか否かは、「賃借対照表」をもとに判断し、賃借対照表の「資産の部」の合計額から「負債の部」の合計額を差し引いた金額がマイナスであれば債務超過の状態、反対にプラスの状態であれば資産超過の状態にあるということができます。

債務超過に陥ってしまうことが、ただちに会社の経営破綻を意味するわけではありませんが、債務超過の状態にあることは、会社が経営難に陥るリスクが高い状態であることを示しているといえます。

債務超過と赤字の違いについて

債務超過と赤字は全く異なる概念です。

債務超過は上で説明したように、会社の資産についての評価であって、会社全体の財産がマイナスであることを示すものです。

これに対して、赤字は損益についての評価であって、一定期間の取引の収益がマイナスであることを示すものです。

債務超過と倒産の関係性について

一般的に、「倒産」とは企業が債務の弁済をすることができない状態に陥ったり、経済活動を続けることが困難になったりした状態のことを指します。

このような状態において、会社を再建するのであれば民事再生や会社更生、会社を清算するのであれば破産や特別清算といった法的手続をとることになります。

債務超過の状態になった場合、すぐに倒産してしまうわけではありませんが、取引先や銀行からの信用が低下することにより、倒産のリスクが高まります。

取引先からの信用が低下し、取引自体が停止されてしまうと、収益が低下することに加えて、資金が回らなくなるという観点からも、倒産のリスクが高くなるといえます。

また、銀行からの信用が低下すると、新規の融資を受けることができなくなってしまう可能性があり、そうなると融資により資金を調達することができないため、倒産のリスクが高くなるといえます。

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